第14週(第55回から第58回)

岩谷堂ダンスの手文庫に入ったケセン語

第55回配信(2007.12.17)
ベレン】(マタイ2・6)〜読み下しやすい言葉を使う〜
◆マタイ2章6節に【ユダの地、ベツレヘムよ、お前はユダの指導者たちの中で決していちばん小さいものではない。お前から指導者が現れ、わたしの民イスラエルの牧者となるからである。】(新共同訳)とあります。◆以前にも書きましたが、ケセン語訳では「ベツレヘム」を昔のキリシタンの言い方にならい、ポルトガル語風に「ベレン」としました。「ベツレヘム」では若い気仙人はともかく、年配の気仙人は舌が回らないからです。◆聖書は本来声に出して「朗読」するものでした。ケセン語訳聖書も翻訳に際しては、何度も何度も声に出し、気仙の人達が声に出して読み下しやすいように工夫を重ねました。(「ケセン語訳聖書を楽しむ会」より熊谷雅也が要約) ※ケセン語訳聖書の情報はイー・ピックス出版 http://www.epix.co.jpへどうぞ

第56回配信(2007.12.18)
【微小(とベァっこ)】(マタイ2・6)〜生活感ある言葉を使う〜
◆マタイ2章6節に「一番小さいものではない」という言葉がありますが、ケセン語訳では「一番微小(とベァっこ)なものでァねァ」と訳しました。◆「微小」という字を当てているように「とベァっこ」は「小さい、少ない」という意味です。◆「とベァっこな童子(わらし)=小さい子ども」のように使います。この言葉は日常気仙地方でよく使われる言葉です。ケセン語訳聖書は、読み手(気仙の人たち)に聖書の世界を身近に感じてもらえるよう、生活感のある言葉を使うよう意識して翻訳しました。(「ケセン語訳聖書を楽しむ会」より熊谷雅也が要約) ※ケセン語訳聖書の情報はイー・ピックス出版 http://www.epix.co.jpへどうぞ

第57回配信(2007.12.19)
【星占ァの巫】(マタイ2・7)
◆マタイ2章7節に【そこで、ヘロデは占星術の学者たちをひそかに呼び寄せ、星の現れた時期を確かめた。】とあります。ケセン語訳聖書では「占星術の学者」を「星占(ほしうらね)ァの巫」と訳しました。◆ここで「占星術の学者」といっているのは占い師のことですから、気仙では「巫(みこ)」にあたります。巫(みこ)は多くの場合女性がなるので「巫女(みこ)」と書きますが、気仙では男性もいますので「巫(みこ)」としてあります。(「ケセン語訳聖書を楽しむ会」より熊谷雅也が要約) ※ケセン語訳聖書の情報はイー・ピックス出版 http://www.epix.co.jpへどうぞ

第58回配信(2007.12.20)
【秘密裏(こっそ)ど】(マタイ2・7)
◆マタイ2章7節に【そこで、ヘロデは占星術の学者たちをひそかに呼び寄せ〜】
とあります。「ひそかに」という言葉をケセン語訳では「秘密裏(こっそ)ど」と訳しました。◆これは標準語で言うと「こっそりと〜」にあたります。「こっそど裏山に登った」「こっそど孫に小遣いをくれた」のように使います。◆「ひそかに」という言葉は気仙の日常生活ではあまり使われませんが、「こっそど」はよく使われる言葉です。(「ケセン語訳聖書を楽しむ会」より熊谷雅也が要約) ※ケセン語訳聖書の情報はイー・ピックス出版 http://www.epix.co.jpへどうぞ

父さんの宝物

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