2008-01-01から1年間の記事一覧

第12週(第47回から第50回配信)

第47回配信(2007.12.03) 【読み仮名の工夫】その3(マタイ2・2)〜臣等(おらど)〜 ◆ここでは、「占星術の学者たち」に、自称の言葉として「臣等(おらど)」と言わせていますが、これは東洋の伝統に従ったものです。漢語文化圏(中国、朝鮮、日本など)では…

第11週(第43回〜第46回配信)

第43回配信(2007.11.26)【注意を喚起する言葉「イドゥー」】(マタイ2・1〜2) ◆マタイ2章1〜2節に【そのとき、占星術の学者たちが東の方からエルサレムに来て、言った。】(新共同訳)とあります。これを新しいケセン語訳では【そん時(どぎ)、ほれ、星…

第10週(第39回から第42回)

第39回配信(2007.11.19) 【新約聖書の二人のイエス】(マタイ1・24〜25) ◆新約聖書の中には「ナザレのイエス」のほかに、もう一人のイエスがいますが、みなさんお解りになりますか? イエスと一緒に裁判にかけられ釈放されたのが「イエス・バラバ」と呼ばれ…

第9週(第35回から第38回)

第35回配信(2007.11.12) 【「ヤソ」の元の言葉は?】その1(マタイ1・24〜25)〜ガリラヤでは「イェシュー」〜 ◆新共同訳聖書で「イエス」と訳している言葉は、ケセン語訳聖書で「ヤソ」と訳しています。◆「ヤソ」と訳した元の言葉は、ヘブライ語で「イェホシ…

第8週(第31回から第34回)

第31回配信(2007.11.5) 【旧約からの引用の背景にあるもの】その1(マタイ1・23)〜インマヌエル(=神共)〜 ◆マタイの1章23節に【「見よ、おとめが身ごもって男の子を産む。その名はインマヌエルと呼ばれる。」この名は、「神は我々と共におられる」という…

第7週(第27回から第30回)

第27回配信(2007.10.29) 【主なる神(=旦那神様)】その3(マタイ1・22) 〜神様は「便利屋」?〜 ◆キリスト教やイスラム教はユダヤ教から出た宗教で「一神教」ですが、日本人は長く「多神教」の世界に生きてきました。◆多神教の世界では、森羅万象の中に人…

第6週(第23回から第26回)

第23回配信(2007.10.22) 【罪(=ハマルティア)とは何か?】その4(マタイ1・21) ◆「これこそが正義」「これこそが平和」のためと、良心に忠実に一所懸命になるほど、人は非寛容になり際限のない憎しみと破壊の世界に入ってしまいます。これが「ハマルティア」…

第5週(第19回から22回)

第19回配信(2007.10.15) 【「子」ではなく「子孫」】(マタイ1・20) ◆マタイ1章20節で「ダビデの子ヨセフ、恐れず妻マリアを迎え入れなさい。」(新共同訳)とあります。でもヨセフはダビデの「子」ではないですね。ダビデの子はソロモンです。◆新共同訳聖書で「子」と訳…

<第4週/第15回から18回>

第15回配信(2007.10.08) 【ヨセフは正しい人か?】その2(マタイ1・19) ◆「マタイ1・19」には【夫ヨセフは正しい人であったので、マリアのことを表ざたにするのを望まず、ひそかに縁を切ろうと決心した】(新共同訳)とあります。「正しい」とは「ディカイオス…

<第3週/第11回から第14回>

第11回配信(2007.10.01) 【聖霊によって身ごもる】その1(マタイ1・18) ◆「マタイ1・18」の新共同訳では『母マリアはヨセフと婚約していたが、二人が一緒になる前に、聖霊によって身ごもっていることが明らかになった』となっています。◆聖霊(=プネウマ)とい…

<第2週目/第7回から第10回>

第7回配信(2007.09.24) <はじめに・5>◆文法を体系化したあと、辞典を作りました。『ケセン語大辞典』(無明舎)です。3万4千語を収録した大変な労作です。そしていよいよ聖書の翻訳に取りかかりました。◆ところが新約聖書の一番最初で「つまづいて」しまっ…

<第2週目/第7回から第10回>

ミニまぐで配信する「さわりで読むケセン語訳聖書」のバックナンバーを、はてなで4日分ずつまとめて配信しています。ミニまぐ登録希望の方は文末へ。

<第1週目>

第3回配信(2007.09.17) <はじめに・1> ◆「さわりで読むケセン語訳聖書」は、月一度、岩手県大船渡市の公民館で行われている「ケセン語訳聖書を楽しむ会」の内容を、イー・ピックス出版の熊谷雅也がお届けします。◆はじめの2週は、山浦さんとケセン語訳聖…

<第1週目/第3回から第6回>

ミニまぐで配信する「さわりで読むケセン語訳聖書」のバックナンバーを、はてなで4日分ずつまとめて配信しています。ミニまぐ登録希望の方は文末へ。

ケセン文字とは

山浦さんは『ケセン語の世界』(明治書院/2007年)の冒頭でケセン文字について以下のように述べています。「ケセン語のように独自の文字を保たない1つの言語体系を総合的に研究するためにまず必要なことはその言語を記述するための文字体系を確立する…

「ケセン語」とは

「さわりで読むケセン語訳聖書」の内容に入る前に「ケセン語」について簡単な説明を致します。「ケセン語」というのは岩手県沿岸の南部、三陸海岸の南に位置する、大船渡市・陸前高田市・住田町など人口8万人弱の地域で話されている一方言です。 ここ大船渡…

「さわりで読むケセン語訳聖書」とは…

このブログは2007年9月15日から「ミニまぐ」で配信続けている「さわりで読むケセン語訳聖書」を順次掲載するものです。 「さわりで読むケセン語訳聖書」は月に一度、岩手県大船渡市の中央公民館で行われている「ケセン語訳聖書を楽しむ会」の内容を、…