第32週(第131回から第134回)

第131回配信(2008.4.28)
【「それに加えて〜」というユダヤ人の考え方】その5(マタイ4:4)〜ギリシャ語の接続詞「アッラ」と「デ」〜 ◆ギリシャ語の「アッラ」と「デ」という接続詞は、「しかし」ではなく「それに加えて」と訳すほうがふさわしいとする前島さんの考えに共感し、私はマタイ4章4節を以下のように訳しました。◆【ヤソァ答(こで)ァで、語りやった。「聖書(かぎもの)にァこうある。『人ァ飯(まんま)せァ食ってろば幸せに生ぎるづゥもんでァねァ。それに加(くゑ)ァで、神様の口がら出はる、一づ一づの言葉ァ進んで我が身に受げでごそ、活ぎ活ぎど幸せに生ぎるんだ。』」】(標準語訳は2008/04/02号を参照)(「ケセン語訳聖書を楽しむ会」より熊谷雅也が要約)※ケセン語訳聖書の情報はイー・ピックス出版 http://www.epix.co.jpへどうぞ

第132回配信(2008.4.29)
ガリラヤに逃げたイエス】その1(マタイ4:12)
◆悪魔の誘惑(心の闇)を退けたイエスはいよいよお水潜らせのヨハネ(洗者ヨハネ)から「のれん分け」して独立し、ふるさとのガリラヤに戻って自分の教えを伝えはじめます。◆この時のユダヤの情勢を少しお話しします。◆ガリラヤとペライヤを治めていたのは、ヘロデ大王の息子ヘロデ・アンティパスでした。このヘロデ・アンティパスにはフィリッポという兄弟がいたのですが、そのフィリッポの女房をヘロデ・アンティパスが自分のものとしたため、お水潜らせのヨハネは公然と王の仕業を非難しました。◆そのためヨハネは、逮捕され牢獄に入れられたわけです。ヘロデの妻ヘロデア(フィリッポの元の妻)はこのヨハネを何とか亡き者としようと思っていました。<続く>(「ケセン語訳聖書を楽しむ会」より熊谷雅也が要約)※ケセン語訳聖書の情報はイー・ピックス出版 http://www.epix.co.jpへどうぞ

第133回配信(2008.4.30)
ガリラヤに逃げたイエス】その2(マタイ4:12)
◆この時代に、フラウィウス・ヨセフスという学者がいてユダヤの古代史や戦記を書き残しています。◆その本によると、原理主義的な思想を持っていたお水潜らせのヨハネを、過激派たちが担ぎ出し反乱を企てようとしていたようです。そこで、反乱を阻止するために予防的処置として、ヨハネを捕まえ牢獄に入れたと書いてあります。◆聖書ではヘロデ・アンティパスの女性問題を非難したことが直接の理由のように書かれていますが、一方ではこの様な背景があったのです。<続く>(「ケセン語訳聖書を楽しむ会」より熊谷雅也が要約)※ケセン語訳聖書の情報はイー・ピックス出版 http://www.epix.co.jpへどうぞ

第134回配信(2008.5.1)
ガリラヤに逃げたイエス】その3(マタイ4:12)
◆お水潜らせのヨハネは、当時イエスなど及びもつかない大変な実力者でした。そのヨハネが「反乱の阻止」ということで牢獄に入れられたのですから、ヨハネの弟子であるイエスの身の上にも危険が迫っていたと想像できます。◆元師匠が捕まり自分の身の上に危険を感じたのでしょう。「これはやばい!」と、イエスはふるさとのガリラヤに逃げたんですね。<続く>(「ケセン語訳聖書を楽しむ会」より熊谷雅也が要約)※ケセン語訳聖書の情報はイー・ピックス出版 http://www.epix.co.jpへどうぞ